NAGASAKI KAKKIとは?
地元企業は若者の採用をはじめ学生との接点づくりに苦労し、一方学生は長崎市の魅力ある企業や社会人と出会う機会が少なく、県外での就職を選んでしまう――。
NAGASAKI KAKKI(ながさき かっき)は、そんな課題を解決しようと始まった、学生が中心となって運営する団体です。
函館に続き、2024年9月に長崎市での活動がスタートしました。長崎市の「長崎創生プロジェクト事業」にも認定されています。

NAGASAKI KAKKIを運営するのは、市内に住む4人の大学生。今回は、ゼネラルマネージャーの後藤俊介さん(長崎大学2年 写真左)、エリアマネージャーの宮嶋悠翔さん(長崎大学2年 写真右)にお話を聞きました。
後藤さん「NAGASAKI KAKKIは、就職活動という枠を超えて、学生が企業の方と直接話せる『場』となることを目指して、イベントを定期的に開催しています。
また、長崎市に特化したSNS型リクルートサイトを運営し、学生が地元企業を取材したり、契約企業が自ら学生に向けて情報を発信できる仕組みを提供するなど、オンラインとオフラインの両方で活動しています。」

長崎市の企業や大人を「発見」する場
ー 学生と企業の交流イベントには、どんな方が参加されますか?
宮嶋さん「企業のかたの業種は、製造やIT関連などさまざまで、毎回7〜10社ほどが参加してくださいます。
そのうち3〜4社はリピートで来てくださっていて、若手人材の採用に課題を感じている企業だけでなく、地域を盛り上げたいという思いを持つ企業のかたも多いです。
学生は長崎大学の学生を中心に、多いときには30人ほどが集まります。普段の学生生活では出会えない、地元の社会人のかたと交流できる貴重な機会になっていますね。」

ー 企業との交流イベントを通じて、驚いたことや発見したことはありますか?
後藤さん「実際に企業のかたと交流してみて驚いたのは、必ずしも新卒採用を目的として参加されているわけではないということです。
新規採用を予定していない企業のかたに、毎回イベントに参加いただく理由を聞いたら、『単に採用候補者を探す場としてではなく、企業と学生の情報交換の場として、盛り上がってほしいと思っている。将来的に長崎市で就職する人が増えて地域が元気になってこそ、うちの企業も良くなっていくんだよ』とおっしゃいました。
目の前の採用だけではなく、地域の未来を見据えて行動されている姿に、シンプルにかっこいいと憧れましたし、そんな視点で僕たちも活動していきたいと思いました。」

宮嶋さん「“企業向けの仕事をしている会社(BtoB企業)”も多く参加されていて、これまでの生活では接点がなかったけれど、長崎市にもこんなに素晴らしい仕事があるんだと発見することができました。
学生にとって、視野を広げたり、将来やりたいことについて考えるきっかけとなったり、長崎でやりたい仕事を見つける可能性も広がる、貴重な経験になっています。」
広がる温かい人の輪、そして新たなゴール
ー 回を重ねるごとに、学生や企業との関係にどんな変化や広がりを感じますか?
後藤さん「企業の方々がとても温かく接してくださるので、最初は参加を迷っていた学生や『なんとなく大人って怖い』と感じていた学生からも、『次もぜひ参加したい』『思った以上に、大人たちは学生を応援してくれている』という感想をもらいます。
一歩勇気を出してみれば、こんなに世界は広がるのかと変化を感じています。」
宮嶋さん「イベント後には『ここをもっとこうしたらいいよ』と運営のアドバイスをくださる方や、『知り合いの企業を紹介したい』『今度一緒にPRに行こう』と機会をくださる企業さんも増えています。
そうしたつながりのおかげで、NAGASAKI KAKKIを知ってくださるかたや、参加企業が増え、学生との輪が少しずつ広がっているのがとてもありがたいです。長崎市の大人たちは本当に温かいなと感じます。」

ー 活動を始めた当初、“学生が長崎市で就職すること”をゴールにしてきたそうですが、今では少し変わってきたそうですね。
宮嶋さん「いろんな企業のかたと話をするうちに、すぐに長崎市で就職する学生を増やすことだけが、NAGASAKI KAKKIのゴールではないと気づきました。
長崎市の企業を選ぶにしてもそうでなくても、まずは長崎市の土地や人や企業の良さ、課題もまるごと知ってもらうことが大事だと思ったんです。
たとえ県外に就職するにしても、長崎市の大人と交流し、考えを共有できた人ならば、長崎市を盛り上げたいという思いはずっと持ち続けてもらえると思います。いつか力をつけてここに帰ってこよう、と思う人も増えるんじゃないかなと期待しています。」

後藤さん「僕たち自身も『必ず長崎市で就職します』とは明言していません。
最後まで自分のやりたいことや可能性を探っていきたいですし、いろんな考え方や立場の学生が参加できて、それぞれが自分の可能性を広げられるような場をつくりたいと思います。
いろんな大人の人生観に触れ、そこに自分を照らし合わせることで、自己理解も深まっていくと感じます。 」
活動から約1年が経過した頃、「NAGASAKI KAKKIをきっかけに興味を持って、就職説明会に足を運んでくれた学生さんがいた」と、企業からのうれしい報告があったそうです。

仕事の場としての 長崎市の可能性
ー 仕事の場としての長崎市に、どのような可能性を感じますか?
後藤さん「長崎市の強みは、何よりも『長崎市をもっと元気にしたい』という企業や大人の熱量にあると感じています。
学生の県外流出が多い現状は確かに課題ですが、その課題に地域が真剣に向き合っているからこそ、企業や行政など地域が一体となって動き、大きな力になっていると思うんです。
函館や島根など全国のKAKKIメンバーと学び合う場面でも、長崎市の連携体制はうらやましがられるほどです。
都会に比べて縛りが少なく、やりたいことに挑戦しやすい環境、全力で応援してくれる温かい人たち、という条件がそろっているところもいいですね。」

地域にさらなる活気の輪を

ー これからの挑戦や活動の展望について教えてください。
後藤さん「今後は大学生だけでなく、高校生や中学生が参加できるイベントも計画中です。
地域の大人との接点を持ち、長崎市の魅力をしっかりと感じる機会を、より多くの若者に提供していきたいです。
また、長崎市出身で他県に進学している学生たちにもアプローチし『長崎市ってすごかったんだ』と気づくきっかけづくりをしたいと考えています。」
宮嶋さん「学生や企業だけでなく、一人でも多くの市民に活動を知ってほしいです。
若者たちが本気で選びたくなる、帰ってきたくなる、誇りを持って語れる。そんな学生と大人の交流の場を、これからも皆さんと一緒に築いていきたいと思います。」
(終)
OTHER
POSTS