ーNUTICでは普段どのような活動をしていますか。
NUTICでは研究室でメタバースや生成AIの研究に取り組んでいます。企業との距離が近いのが特徴で、企業のプロジェクトに参加したり、ディスカッションしたり、技術のアドバイスを受けたりする機会もあります。学生が企業や地域と連携しながら新しいアイデアを形にしていける場所だと感じています。

ほかにも、学会や大学院(総合生産科学研究科)の講義が行われています。

(瀬戸崎准教授)上原さんは大学2年生の時に日本教育工学会の全国大会で「学生セッション優秀発表賞」をもらっています。発表者の大半は大学院生だったので、たいしたもんですよ。
また、誰とでも積極的に関わろうとしますね。インドとの交換留学の話が持ち上がった時には真っ先に手をあげたり、タイに行って現地の学生と生成AIなどを活用した課題解決を模索したりしています。好奇心が旺盛でどこにでも飛び込んでいけるから、いろんな人とつながっていろんなことに挑戦できるんでしょうね。
最新技術を子どもたちへ
ー企業以外との連携もありますか?
はい、さらに次世代とのつながりを生むための取り組みにも力を入れています。「tec-nova Nagasaki(テクノバながさき)」という、子どもたちがテクノロジーの楽しさを体験できる場を提供しています。

小中高生が、普段は関係者しか入れないNUTICの研究エリアで、最先端のコンピュータやロボットの操作、プログラミングなどを大学生や大学院生と一緒に遊ぶように学んでいきます。
自分が学んでいることを直接こどもたちに教えられて、やりがいを感じています。私が子どもの頃はこういうIT技術に触れられる場所がなかったので、うらやましく思います。


ー「学びのコミュニティ」が世代を越えて広がっていますね。
はい、昨年開催したテクノバフェスには400人以上来てくださいました。ここに参加した子どもたちが、デジタル技術に興味を持ってくれたらうれしいです。
ー上原さんがテクノロジーに興味を持ったきっかけは何ですか。
もともとものづくりが好きで、小さい頃からパソコンや電子機器をよく触っていました。
小学生のときにプログラミングに出会い、自分のアイデアをコードで形にできることに感動しました。ネットで調べながら独学でいろいろ作っていましたね。Webサイト制作や、サーバー運用とか。
根っからのギーク(技術オタク)だったので、その頃から「将来は情報系に進む」という進路は一切ブレていませんね。

大学ではそれをさらに発展させて、「テクノロジーで人の生活を良くする」という視点と、純粋に「人々をワクワクさせるものを提供したい」という思いを持って学びを深めています。
技術を使って誰かの課題を解決したり、新しい楽しみを生み出すことが、学びのモチベーションになっています。

ー上原さんが学んでいる最先端の技術は長崎でどんなことに活かせそうですか。
AIやIoT、データサイエンスといった技術は、観光・医療など、長崎の強みや課題に直接活かせると思います。例えば、平和学習にメタバースを取り入れて、当時の様子をリアルに体験できるようにしたりするとか。
単に技術を導入するだけでなく、地域のかたが町の課題を自分たちの手で解決するための手段(支援ツール)として提供できるのが理想ですね。

ー長崎市内には複数の大学が立地していますが、つながりはありますか?
学生同士のつながりはまだ発展途上ですが、企業の方との距離は確実に近くなっています。 先日長崎スタジアムシティを拠点にしたハッカソン(決められたテーマによるシステムづくりを競うイベント)でも、普段の講義室では出会えないような社会人の方からフィードバックをもらえて、とても刺激になりました。
この「社会とつながれる環境」を、今後は他大学の学生とも共有していきたいです。
このような背景から、今年度「長崎の学生のためのエンジニアコミュニティ」を立ち上げました。今は長崎大学の学生だけで構成されていますが、これから他大学もどんどん巻き込んでいきたいと思っています。
学生が主体となり、技術などの知識を共有し合う勉強会(LT会)や、ワークショップなどを開催して、長崎の学生全体のITカルチャーを盛り上げていきたいです。

ー長崎スタジアムシティは企業との交流の拠点だけではなく、次世代、さらに学生同士がつながる場としての役割も担っているんですね。
コワーキングスペースを貸りられるので、みんなで集まりやすくて便利です。技術だけでなく「人と人とのつながり」から学ぶことが多く、長崎にいながら新しい動きを体感できる場所ですね。
いつも講義を受けている長崎大学の文教キャンパスも好きですが、NUTICはかっこいい施設で雰囲気もいいので、「よし!やるぞ!」とやる気が出ます。

ー若者に刺さる場所ですよね!こんな素敵な場所での学生生活、憧れます。長崎駅も近いし、まさにまちの進化を感じる場所にいますね。
そうですね、長崎が進化していくにつれて、若者が活動できる場所や企業との接点が増えてきているのは大きなプラスだと思います。
一方で、こうした新しい施設が「学生が自由に活動できる場」として十分に活用されていない点は課題かもしれません。せっかくインフラが整ったので、それをどう活かして地域と大学、企業が一体になれる仕組みを作るかがこれからのカギだと思います。
ーすでに挑戦に取り組んでいる上原さんならではの視点ですね。長崎がもっとこうなってほしい!と思うことはありますか?
学生は時間とエネルギーはあっても、活動資金や人脈などで挫折することが多いです。挑戦しやすい環境が整えばいいなと思います。

例えば、学生が自由にプロジェクトを立ち上げて、市や企業と連携しながら社会実装できるような仕組みがあれば、長崎のまちはもっと活気づくはずです。
「挑戦してみたい人が自然と集まるまち」、そんな未来をNUTICからつくっていけたらと思っています。
(終)
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